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金属製ヘルメットに関して、革製のヘルメットの銀や真鍮の部品と同様に、サビは重大な問題です。
ヘルメットを構成する部品やヘルメット自体が金メッキや銀加工されているものならともかく、何の
加工も施されていない金属は、何年間もサビの形成を促進する状態になってしまっているかもしれ
ないのです。
サビは金属が酸化するごく自然な作用であり、次に挙げる2つの基本的な段階で発生します。
サビには、活発的なものと不活発なものがあり、 一つ目は多くの金属(主に鉄鋼)の地の部分が露
出している場合、空気と湿気に反応してさびが形成され始めます。 これは指で触れた時に付着し
た汗や既に発生しているサビを布で拭き取ったりする事が原因で起こる赤褐色の活性さびです。
活性さびは一定の環境下において金属の表面に侵食します。 放置しておくとヘルメットの表面を
完全に覆って、最後には穴を開けてしまいます。
2つ目は表面腐食が止まる不活発なサビです。この段階の不活発なサビは、濃い焦茶色のサビと
して現れます。これは鉄が不動態と呼ばれるサビを形成したことにより鉄表面にサビ自体が皮膜と
なったおかげで腐食がゆっくり進行するようになり一見すると進行が止まった様になる現象であり、
この状態のサビをむやみに除去したり指で触るとかえって腐食を進めてしまうことがあるので注意が
必要です。
活性サビの進行を止めるためには、石油系サビ取り洗浄剤入りのサビ止剤か良質のガンオイルを
使用するのが良いのですが、当時の塗装された色や雰囲気を失いたくないアイテムには、この方法
は、あまりお勧めできません。
やはりサビを発生させないための湿度の管理は、保存のために非常に重要なことだと言えます。 |
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