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コレクションを保存する際に良く誤解される一つに「温度に気をつける」ことが、大変重要
な要素として考えられているようですが、 これは必ずしもそうではありません。 身近な例
として古い人工物を収蔵する博物館は、その所有する収蔵品の置かれる環境において、
冬には比較的低い温度になり、または夏には定期的に高くなります。 多くの人工物は本
来−30℃位の低温にまで耐えられる性質を持っており、屋内における冬の低い温度は
むしろ化学変化による崩壊や病害虫、カビ、そしてエネルギー消費のような問題を減らす
ことに貢献しています。 低温が人工物に悪影響を及ぼすという誤解は、構成する材料が
低温によってもろくなると一般的に考えられている為で、これは一般的にプラスチックや
絵の具に関しての注意事項と言えます。
高温によってもたらされる古い人工物にとって最も危険なことは、湿度が一般的に40%
未満まで低下して、乾燥が起こるということです。 ヘルメットの乾燥はごく僅かな収縮を
もたらしますが、ここで最も細心の注意を払わなければならないことは、激しい温度変動
を引き起こさせないことなのです。 温度の変動によって、ほとんどの材料が膨張・収縮の
繰り返しを引き起こします。 第2章(湿度)で述べたように、ヘルメットのラッカ−仕上げの
塗装面の「連鎖的なひび割れ」を起こさせないためにも急激な温度変化を防ぎ快適な温度
を維持することが、最重要ポイントと言えます。 |
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