ピッケルハウベの保存

   序論見えない死の光線紫外線の防御湿度についてカビ対策について温度サビ正しい手入れ方法

      第1章
     1項 見えない死の光線
                      

現在ほとんどの人々は紫外線(UV)の光が皮膚へのダメージを与え、長期被曝による皮膚癌の可能性の増加リスク
を意識しているにもかかわらず、太陽や人工的な光のUV光線が潜在的にどんな種類(特に織物)の家財道具、絵画
美術品、および骨董品に対してもいかに多くの損害をもたらすかということをあまり意識していません。

織物や印刷もしくは塗装された品物に関して言えば、それが大切な物であるならば、直接光が当たっている場所に
無造作に置いておくことは避けるべきです。 光線、特にスペクトルの紫外線(UV)、赤外線(IR)などの有害な光を当
て続けることで化学変化を引き起こします。 日光のUV光線は、骨董品、家具、絵画、美術品などの変色を引き起
こす原因となり、時間の経過に伴って例外なくほとんどの部品を破損して品物としての価値を減らしてしまうことがあ
ります。 これは主に私たちが良く目にする品物の色あせなどで、顔料の光化学による劣化などの構造的な損害と
酸化反応をもたらす紫外線(UV)に起因するものです。 紙や織物などの有機的な物に起こる光化学の劣化反応は、
累積していて元の状態に戻すことができません。 つまり、光の当たり具合や当てている長さを調整することで、紙や
顔料は化学的・物理的な劣化から保護されることになります。